【東京】全国の高校生から募集したビジネスプランの、自由な発想や完成度を競う「高校生ビジネスプラン・グランプリ」(日本政策金融公庫主催)の最終審査会が11日、文京区の東京大学本郷キャンパスで開かれ、八重山農林高校畜産部の「『石垣長寿牛』加工商品の開発」が見事、優秀賞に輝いた。
同グランプリは、全国の高校生を対象にビジネスプランの作成を通じて、規制の枠にとらわれずに、地域や身近な課題に取り組む人材を育成する目的で、同公庫が初開催。同校は全国からエントリーのあった151校、1546プランの中からファイナリスト8プランに選ばれた。
同プランは高齢となった母牛を再肥育し、牛汁の素やハンバーグなどに加工し商品化。ふくよかな母牛をトレードマークに、八重山で「おいしい」という意味の方言の「“ウマハン”シリーズ」として販売するプランを作成。多くが低価格で処分される老廃牛を「長寿牛」ブランドに価値転換し、新たに循環型農業へと昇華させるねらいも高く評価された。プレゼンテーションには畜産部のメンバーが作業着にゴム長靴、クバがさ姿で登壇。2年生の上江洲安志君が、獣医師の専門的な指導で老廃牛に与える飼料を見直したことで肉質が改善したことに、新石垣空港開港で拡大する観光市場を折り込み「地域のかかえる課題を解消に導きたい」と力説した。
終了後、家が畜産農家の上江洲君は「八重山の老廃牛は全国平均より高齢で、家でも学校でも身近な問題。更新を早め、将来的には全国平均と同じにしていきたい」と将来の夢も語った。(黒島安央東京通信員)