久しぶりに那覇の街を歩いた。本島へ行く機会は多い。しかし移動手段は車やモノレール。石垣島でも歩かないのに、那覇だと歩きはさらに減る▼この日は約2時間の余裕 ができた。運動不足を実感しているため、国際通りを歩いてみた。昔はここを歩けば、同郷の人に必ずというほど出会った。日ごろ島でめったに会わない人も見かける▼最新ファッションの店が多く、沖縄の情報発信の中心地だった。当然、ショッピングを楽しむ八重山出身者も多い。ところがこの日は歩いても、知り合いに会わない。土産店に出入りする観光客がほとんど▼中国や韓国からの家族連れも多く、通りは活気づいていたが、店舗の様変わりに伴い、郡関係者の関心も薄れたのかも知れない。近年では新都心の大手スーパーや北谷町で、知り合いに遭遇するケースが増えた▼八重山の人の多くが好奇心旺盛だ。石垣市内にマクドナルドが開店したとき、記録的な売り上げがあったと聞く。友人からは「八重山の人は、県内消費のバロメーター」とちゃかされたこともあるほどだ▼趣味嗜好(しこう)の多様化で昔のような行動パターンではなくなったが、八重山住民が街で見かけなくなったのは、ネットショッピングが普及浸透し、主流になっているのかも知れない。(黒島安隆)
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