戦時中、国民を戦争に駆り立てた反省から戦後の新聞は「戦争のために二度とペンを取らない」と反戦平和を誓い今に至っている。憲法も310万人余が犠牲になった戦争の反省から生まれた▼それが戦後70年を経て今の政府・自民党は「戦前回帰病」が重症化して“戦争法案”をごり押し。批判する報道機関を威圧して“平和国家”を逆走している▼これには胆のうがんで療養していた作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(93)も「安倍首相がやろうとしていることが恐ろしくてとても寝ていられない。今の日本は私が若いころの戦争の時代と同じ状態にある」と法話活動を再開した▼メディアを抑え込み、戦争法案も辺野古新基地も押し通そうとする安倍自民党に対し、立教大の砂川浩慶准教授は県紙で▽民主主義無理解党▽少数無視党▽自由抑圧党▽言論弾圧党▽責任転嫁党−などと党名変更を提案していたが、まさしくそこに今の安倍政権の体質が凝縮されている▼県内では自民党勉強会での一連の発言に激しい怒りが噴出しているが、嘆かわしいのは自民県連(島尻安伊子会長)の対応だ▼県議会は2日抗議決議を採択したが、自民党は反対した。あれだけ沖縄を侮辱されながらなお党本部に従属し、ウチナーンチュ同士が対立を続けるのは実に情けなく悲しい。(上地義男)
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