【与那国】集落排水事業で下水道施設が整備されている祖納、久部良、比川の3地区の接続率は6月末現在、久部良で78%と高い一方、比川で41.5%、祖納では24.2%にとどまっており、衛生・水質の環境改善という事業効果を発揮できないでいる。祖納地区では、下水道にも接続せず合併浄化槽も設置していない住宅の台所や風呂場から生活排水が日々、田原川に流れ込む。河川や祖納港の水質の悪化を招く要因になっており、接続率向上の対策が求められそうだ。
町まちづくり課によると、1994年度に供用開始された久部良は対象232世帯に対し181世帯、09年度の祖納は対象443世に対し107世帯、13年度の比川は対象65世帯に対し27世帯がそれぞれ接続している。
これに伴い、町は供用開始後3年に限った上限50万円の無利子貸付制度を用意。祖納では接続が伸びなかったため、2年延長して5年間貸し付けができるようにしたが、延長期間内で利用したのはわずか1世帯のみ。
貸付制度の期間を延長しても接続率が改善できなかったことについて同課は、接続費用と水道料金に上乗せされる使用料にあるとみている。ただ、これについては利用者に負担してもらうしか方法がなく、同課は頭を痛めている。
祖納地区を流れる田原川は、かつては泳げるほど水質も良かったというが、現在は生活排水などが流れ込んで水質が悪くなっている。
一方、接続率の高い久部良は水質の改善がみられ、久部良の住民は「昔に比べてきれいになった」と話す。
接続率向上に向けた対応について同課は「説明会を開催したり、パンフレットを配布したりして理解を求めていきたい」(前大舛和夫課長)としている。