■「戦争法案」強行採決へ
1年の折り返しの7月を迎えた。夏本番の今月は日本、沖縄、そして石垣市の行く末を左右する大きな案件が大詰めを迎え、文字通り熱い攻防が展開される。
大多数の憲法学者が「憲法違反」を指摘して以降、無関心だった若者たちからも日に日に反対の世論が高まっている“戦争法案”の「安保関連法案」は、夏までに成立させるという米国との約束を果たすため、しゃにむに今国会での成立を急ぐ巨大与党の安倍政権が、強行採決してでも今月中に衆院を通過させる構えにある。
そのため日本は、これまで通り平和を守り通せるか、戦争に進むかの大きな分岐点に立たされている。
安倍政権の危うさはこれまでもたびたび指摘されてきたが、25日の首相に近い自民党国会議員らによる勉強会での報道機関への威圧発言や、特別講師の百田尚樹氏の「沖縄の2紙はつぶさないといけない」発言は、あらためて安倍政権のタカ派的体質を如実に露呈したものだ。それは沖縄の辺野古新基地建設反対のように意に沿わない意見は黙殺するだけでなく、攻撃して弾圧を加える独裁政権の危うさだ。
それは到底許されざるものであり、そういう政権が進める「安保法案」が首相が言う「日本の平和を守る」安全安心の法案とはとても思えない。
■国は白紙撤回し出直せ
その安倍政権が進める辺野古新基地建設は、県や名護市がどのように反対しようが今夏には埋め立て工事を着工すると表明してきており、今月中に強行するかどうかが大きな焦点だ。
一方県も、前知事の埋め立て承認に瑕疵(かし)がなかったかどうかを検証している第三者委員会の結論が、今月中に出ることから、同報告を受けて翁長知事が承認を取り消すか撤回するかの正念場を迎える。さらに知事判断に対し政府がどう対抗するか、国と県の攻防は大詰めを迎える。
さすがに今回の沖縄蔑視と報道規制発言では、安倍政権に党の内外から批判が噴出、支持率も低下した。政府与党は自省して戦争法案と辺野古新基地建設を白紙撤回し出直すべきだ。
■新庁舎、拙速は避けよ
市民の間で高台移転か、現在地で建て替えかで意見が割れる石垣市の新庁舎建設位置は、今月にも同基本計画策定委員会(委員長・神谷大介琉大工学部助教、委員20人)が結論を出す方向にあるが、市庁舎は防災と街づくりの在り方を大きく左右する100年の大計であり、拙速は避けるべきだ。
盛夏を迎える今月は、全国的に熱中症予防月間をはじめ、下旬からの各学校の夏休み入りを控え、青少年の非行防止や海難防止、社会を明るくする運動、森と湖に親しむ旬間、河川・海岸愛護月間、海の日・海の月間、青い羽根募金運動などが展開され、沖縄独自には県産品奨励運動が展開される。
さらに八重山は来月5,6日の4カ字をピークに豊年祭シーズンに入り、好調観光もトップシーズンを迎える。15日はマンゴーの日だが、宮古や宮崎に後れを取る草分けの八重山は生産者の結束が必要。8月1日のパインの日も時期的に遅く、見直すべきだ。