【竹富】国指定の重要無形民俗文化財・竹富島の「種子取祭(たなどぅい)」の奉納芸能が20日から世持御嶽で始まり、島は祭り一色に包まれた。奉納芸能は「庭の芸能」と「舞台の芸能」に分けて行われ、初日の舞台は玻座間村が演じ、狂言や舞踊など32演目が繰り広げられた。会場には平日にもかかわらず郷友、観光客など島内外から大勢の観客が詰めかけ、終日演じられる奉納芸能を堪能した。
農作物の豊穣(ほうじょう)と島民の無病息災を祈願する種子取祭は、1977年に国の重要無形民俗文化財に指定され、約600年の歴史を持つ。この日は早朝から神司や公民館役員らが同御嶽で神事を行った後、午前9時半すぎに道歌を歌いながら世持御嶽に集い、庭の芸能が始まった。
奉納芸能は勇壮な棒術でスタート。竹富小中学校の児童生徒や教職員による太鼓、各支会によるマミドー、ジッチュ、マサカイ、石垣竹富郷友会の祝種子取をはじめ、婦人による腕棒(うでぃぼう)、馬乗者(うまぬしゃ)が次々と披露された。
舞台芸能では、43年ぶりに代替わりした玻座間ホンジャーが五穀豊穣を願い、大勢の子どもたちを引き連れたミルクが登場。
鍛冶工狂言や組踊「伏山敵討」などの狂言をはじめ、舞踊「しきた盆」などが夕方まで繰り広げられた。
奉納芸能が終わると、「世乞い(ユークイ)」が行われ、島は夜遅くまで祭り一色に染まった。
2日目は仲筋村が庭と舞台芸能を奉納する。