石垣市新火葬場位置選定市民検討委員会(入嵩西正治委員長、委員9人)は20日、健康福祉センターで第4回の審議を行い、現火葬場(3043平方㍍)と真向かいの隣接地(約4890平方㍍)を組み合わせた第3案を候補地として全員一致で選定した。28日に中山義隆市長に報告する。これを受け市は29日、臨時庁議を開き、正式に決定する見通し。2015年度の着工、16年4月の供用開始を目指す。
建設場所をめぐり難航していた新火葬場計画は、仕切り直しによる全面公開の市民検討委で候補地が選定されたことで事業化できるメドがたった。これが正式決定されて事業が実施されると、現火葬場を残しつつ、向かい側で新施設と一部駐車場を整備。現火葬場は駐車場とし、将来の建て替えにも備える。
第4回検討委では、北側隣接地1案(3632平方㍍。地権者3人)、同2案(3500平方㍍、地権者1人)、西側隣接地3案(地権者2人)について▽地権者の意向▽整備上の課題▽人や車両の動線―などを考慮して1カ所に絞り込んだ。
決定された3案は、地権者(2人)の協力が得られ、代替地の要望がないため、スムーズな用地取得が予想されるほか、面積が広く十分な駐車場を確保できるというメリットがある。委員は「市道を横断する際に安全対策が必要だが、人や車の流れも良い」と評価した。
ほかの2案については、地権者が代替地を求めているため用地取得の難航が想定されるほか、狭い幅員の水路兼用道路を使用せざるをえず、車両の通行に支障が出るおそれがある。さらに段差を解消するため階段を整備しなければならず、バリアフリー化に適さないなどの課題があった。
市は29日の臨時庁議で正式決定した場合、都市計画変更の手続きを年度内に行い、14年度に実施設計、用地取得・造成、15年度に着工を予定。総事業費は概算で8~9億円が見込まれている。