梅雨が明け、本格的な夏の到来とともにパイナップルとならぶ八重山の夏の味覚・マンゴーの出荷が始まった。沖縄県のまとめによると今年は面積の増加もあり、郡内で204㌧の出荷が見込まれている。平年比63%増の豊作だ▼その大半がゆうパックを中心とした宅配で出荷されるが、今年から本土市場向け出荷がスタートした。昨年5月に発足したJA八重山支店マンゴー生産部会(仲本長照部会長、6人)が23日、JAを通して完熟マンゴー80㌔を関東市場向け、初出荷した▼今期は予定出荷量が約1・5㌧と少なめだが、今後は収穫面積を増やし、6㌧程度まで拡大するという▼JA担当者によると市場単価は流通量で変動するが、1㌔当たり平均2000円前後。パイナップルとともに人気が高く、本土市場から引き合いが多い▼新空港開港で課題の輸送面にめどが付いた郡内のマンゴー生産は今後、新規を含めた面積の拡大、生産量の増加が期待される。これに伴い、新たな顧客の確保が不要な市場出荷も増えてきそうだ▼本土市場には本島各地や宮古がすでに出荷している。後発の八重山がそこに食い込み、市場での差別化を図り「八重山ブランド」を確立するためにも、徹底した品質管理と安定出荷に向けた農家の栽培技術の向上が必要だろう。(下野宏一)
↧