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Channel: 八重山毎日新聞社
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今年5月、県紙で作家の吉田啓さんによる

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 今年5月、県紙で作家の吉田啓さんによる「名優たちの沖縄」という連載があり、その中で映画「太陽の子(てぃだのふぁ)」に出 演した大空真弓さん(75)が紹介されていた▼児童文学作家の灰谷健次郎さんが、沖縄戦の傷を心や体に深く引きずりながら本土で強く明るく生きる沖縄出身の人々を描いた1977年の作品。映画は80年に上映され大きな反響を呼んだ▼その映画の波照間ロケ取材で大空さんにお会いしたことがあり、35年前の本紙を懐かしくめくった。ロケで地元の女性たちに「わーきれい」と大騒ぎされた大空さんだが、性格は「私だけ船酔いもしないで泡盛飲んでかわいくないよね」と明るく気さく▼そういう大空さんは東京生まれだが、父親が宮古島出身だけに沖縄への愛着は強い▼さらに5歳の時広島で原爆に遭遇。姉を白血病で亡くし、自らもがん闘病でつらい思いを体験。加えて「激動の昭和史・沖縄決戦」や沖縄返還をめぐる日米の「密約」、そして「太陽の子」などの映画出演を通して沖縄戦への理解も人一倍深い▼週明け23日は沖縄戦終結70年目の「慰霊の日」だが、日本の未来は再び危うい。かつて戦争は「平和」を連呼し、「われわれも戦争を望んではいない」と言いつつ始まった。今の安倍政権の言葉と符合していないか。(上地義男)


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