石垣市が1~9日に6回にわたって市内各地で開いた新庁舎建設計画の地域意見交換会では、震災時の対応や敷地の狭さ、財政上の優遇措置などの観点から旧空港跡地を推す意見が多数出されたが、市役所現在地推進大会が開かれるなど現在地を推す意見も根強く、「高台か現在地か」をめぐる意見をどのようにとりまとめるのか同計画策定委員会の手腕が問われそうだ。
市役所以外の意見交換会では現市役所跡地を推す意見はなく、旧空港跡地への移転を求める意見が大勢。「現在地は駐車スペースがなく(狭く)不便。何よりも広さが重要だ」「現市役所は液状化が懸念されるエリア。建物が大丈夫だったとしても周辺道路が液状化しては災害復旧にも影響が出る」「なぜ最も危険で財政的負担の大きい現在地が候補地に残っているのか」などの意見が相次いだ。
一方、美崎町自治公民館が中心となって市内のホテル駐車場で開いた10日夜の市役所現在地推進大会では、4人が現在地での市役所建て替えを求めてマイクを握り「震災時、美崎町近隣住民や観光客の避難場所を確保するためにも現在地で高層化してほしい」「まちづくりの中心になってきた市役所を『津波が心配だから高台に』という論法だけで移転してよいのか」という意見もあった。
意見交換会では、旧空港跡地を推す市民から「移転後の市役所跡地は公園やイベント広場、商業施設としても活用できる」と移転後の市街地活性化を望む声があり、移転となった場合には美崎町を中心とした跡地利用の方向性や再開発計画を示せるかどうかもポイントとなりそうだ。