待機児童解消対策で大きな課題となっている保育士の確保に向け、石垣市は13日、無料の保育士試験対策講座を市役所会議室で開講した。認可外保育園で働く保育従事者ら39人が受講し、10月まで隔週の土日に計16回の集中講座を受け、合格を目指す。今年は年1回実施している通常の試験に加え、沖縄県の地域限定試験も予定され、受講者には2回のチャンスがある。
市児童家庭課によると、4月1日現在の待機児童は206人で前年度の60人から大幅増。4月からスタートした子ども・子育て支援新制度への期待から入所申し込みが多く、特に0~2歳児は170人と突出。
市は、認可外保育施設を小規模保育に移行して0~2歳児の保育を拡充する計画だが、現状では2019年度までの5年間で77人の保育士不足が見込まれる。
このため、市は、島外の保育士に渡航費などを支援する県待機児童解消特別事業で前年度に14人、本年度で3人を確保。今回の講座で地元の有資格者の増員を目指す。
待機児童の多い沖縄は、8月の保育士通年試験(筆記8月8、9日、実技10月18)に加え、国家戦略特区制度を活用して2回目の試験として「地域限定保育士試験」(筆記10月ごろ、実技12月ごろ)を予定。保育士試験の合格率は全国で19・3%(2014年度)とハードルが高いが、今回は2回の試験(9科目)の合格科目を合算できる。
受講者のうち、本村槙さん(30)は「これまで1年に1回の試験だったが、今回は2回に増えたので期待がもてる。ぜひ合格したい」と話した。
開講式で運道徹児童家庭課長は「待機児童の解消のため、ぜひ資格をとってもらいたい」と激励した。
講座には竹富町からも3人が町の補助を受けて参加。受講料は市と町がそれぞれ補助。テキスト代、受験料は自己負担。