【与那国】久部良中学校(東濵一郎校長・生徒8人)の生徒が11日午後、漁船に乗り込み、沖合で魚を追う漁師の仕事に触れた。総合的な学習の一環で行った洋上学習で、20年ほど前から続いている恒例行事。与那国町漁協所属の船主らが船を提供し、生徒と教職員、保護者らが7班に分かれ乗船し、カツオやシイラ、ローニンアジ(ガーラ)など合わせて154㌔余りを釣り上げ、海洋資源の重要性について理解を深めた。
この日の海上は風が強く、ほとんどの生徒が船酔いに悩まされ、海の仕事の厳しさを体感。
海上では、漁船の船長が大きなうねりの中で魚を追い、生徒たちは時には足を踏ん張ってさおを引いた。魚がかかると船内には大声が飛び交う。
38㌔のローニンアジを釣り上げた2年生の前盛美和さんは「立てないほどうねりがあった。引きが強く、一緒に乗っていた人に手伝ってもらった。貴重な体験」と振り返った。
3年の男子生徒は「1年のときは船酔いしたが、今年は大丈夫だった。でも、釣れなかった。海は厳しいね」とコメント。
生徒たちは2時間ほどで帰港し、水揚げした魚を解体。包丁を握り、漁師に教わりながら作業を行った。
将来の漁業について意見交換もあり、漁業者からは「他校にはない貴重な体験だ。続いてほしい」といった意見が出た。