JAおきなわ八重山地区畜産振興センター(又吉健夫センター長)はこのほど、八重山家畜市場の2013年セリ実績をまとめた。子牛1頭当たりの平均価格は45万4644円で、前年を7万4000円(19.4%)上回り、過去最高水準の高値を付けた。取引頭数は9067頭、販売総額が38億9280万円で、前年を頭数で174頭(2%)、販売額で6億4985万円(20%)上回った。
黒島を加えた取引頭数は9962頭、販売額は42億5736万円だった。今年のセリは、口蹄(こうてい)疫が発生した宮崎県や福島県など東日本大震災被災地を中心とした全国的な素牛不足と枝肉価格の上昇傾向を背景に、子牛のセリ値が右肩上がりで上昇。12月のセリで平均価格が51万9247円の過去最高値を付けるなど、11月、12月と2カ月連続で50万円を超えた。
雌雄別は雄(去勢)子牛の平均価格が48万2410円。12月は54万3259円もの高値を付け、10月から3カ月連続で50万円を超えた。
一方、雌子牛は、平均価格が41万6960円。雄と6万5000円余のひらきがあるものの、12月には平均が49万円を超え、50万円台に迫った。
年間を通した最高価格は雄(去勢)が78万7500円(11月)で系統は父・百合茂、祖父・安福久。雌は74万1300円(同)で、系統は父・安福久、祖父・平茂勝だった。
石垣島和牛改良組合の前津正明組合長(65)は「高値を素直に喜びたい。高値のうちに後継者を育て、削蹄(さくてい)や各種ワクチンの徹底など購買者の需要を満たす牛づくりを行い、しっかりと産地をつくりたい」と話した。
また、同センターの又吉センター長は「枝肉価格も上がってきている。消費増税が気がかりだが、当面は高値を維持できると思う。初セリも期待できる」と今後の見通しを示した。