火力発電所などで燃焼時に大量に生成される「フライアッシュ」と呼ばれる灰からなる土壌回帰材「SG-1」を用いた赤土流出防止対策の実証実験が今年から5年間、石垣市新川の池原吉剋さん(62)の農地(300坪)で実施される。
実証実験は、同回帰材を土に混合することで、団粒化を促進し、土壌の浸透性を高め、耕土流出を防止しようというもので、3月までには着手する計画。 琉球環境㈱と沖縄県土地改良事業団連合会、㈱大寛組、琉球大学農学部が「新技術研究開発組合」を設立し、農林水産省の官民連携新技術研究開発事業(事業費3500万)を活用して、八重山で初めて取り組む。
琉球環境の北畠満取締役によると、SG-1を混合することで赤土の団粒化を促し、多くの作物の生育に適した土壌に回帰し、赤土が農地から流出するのを抑制する。「簡易で経済性の高い方法で農家の負担を軽減できる」としている。
実証実験ほ場所有者の池原さんは「この実験は冒険ではなく、今後の農業に生かせる実験だと思っている。耕土の流出を食い止め、良い作物ができるようになってほしい」と今後に期待した。
市農林水産部の岩下幸司部長は「赤土の流出は市の課題と位置づけていたので、実験を受けた。赤土流出を少しでも防ぎ、さまざまな作付けにも対応できる耕土づくりに向けた試験を開始したい」と期待した。
期間中、同組合は技術的問題点や混合土壌の安全性の確認などを随時行い、成果を確認する。