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不戦を誓う6月に思うこと

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 ■沖縄戦終結から70年

 

 今年も1年の折り返し直前の6月を迎えた。今月は環境、まちづくり、男女雇用機会均等、食育、農薬危害、水道、歯と口の健康、ハンセン病の偏見などについてそれぞれ考える週間や月間運動が展開される。さらに本社主催の八重山古典民謡コンクール審査や海人の祭典ハーリー、移動採血、父の日、朗読の日、写真の日、商工会の日など多彩な行事がめじろ押し。

 その中で1日から始まった今年第1回の移動採血は、20日まで約3週間行われるが、今回もぜひ郡民の温かい協力で400㍉㍑940本以上の目標を達成し一人でも多くの命を救いたい。

 そして何より6月は沖縄にとって特別な月に当たる。それは本土防衛の捨て石にされた「沖縄戦」が終結した月だからだ。23日は戦後70年目の「慰霊の日」に当たり、八重山をはじめ県内各地は、戦争で犠牲になった人々への鎮魂の祈りに包まれる。

 

 ■乱暴で強引な政治進む

 

 この沖縄戦終結の「慰霊の日」には「二度と再び戦争を起こしてはならぬ」と県内各地で不戦を誓い恒久平和を願う慰霊祭が挙行される。ところが戦後70年の大きな節目にわが国では再び戦争に駆り立てる乱暴で強引な政治が進んでいる。沖縄に新たな犠牲を強いる名護市辺野古への米軍基地建設と憲法9条を骨抜きにした戦争法案制定、そして宮古、八重山への自衛隊配備だ。

 特に戦争につながる辺野古の新基地建設と戦争法案は、これが民主国家のやることかと思うほど強引だ。

 現在翁長雄志知事は、辺野古に新基地は造らせないと米国政府と米国民に訴えるため訪米中だが、政府は「辺野古に移設できなければ世界一危険な普天間基地はそのまま残る」と埋め立て承認が取り消されれば提訴してでも工事を続行すると脅しをかけ強硬だ。

 こうした理不尽な国の対応に全国でも沖縄に理解が広がっている。今後さらに世論を喚起して、終戦直後沖縄県民の土地を強制接収して米軍基地を造ったかつての「銃剣とブルドーザー」を何としても止めなければならない。

 

 ■自衛隊配備、反対決議を

 

 戦争法案の新たな安全保障法制も国会論議が始まったが、論戦が進むにつれて見えてきたのがこの法案の危険性だ。安倍首相自らが「早く質問しろ」とやじを飛ばす品位のない好戦的な姿勢と、当然戦争に巻き込まれるリスクは増大するはずが、「増大はない」と言い切る強引な論理立ては怖い。

 国会ではアフガン戦争やイラク戦争の後方支援で海外に派遣された自衛官のうち54人の自殺が明らかにされた。新たな法案は自衛隊を海外の戦地に派遣。隊員や日本国民がテロや紛争に巻き込まれる可能性が強まる。そういう危険な法案は絶対廃案にするべきだ。

 今月は各自治体で6月定例議会も始まるが、市議会は各面に余計なリスクがあり、市民同士を対立させる自衛隊配備に反対決議をしてもらいたい。

 平和な観光の島に地対艦ミサイルや地対空ミサイルを備えた物々しい軍事基地はすごい違和感だ。まして市民が望んだわけでもないのに、防衛省の都合で石垣市がごたごたにあえて巻き込まれる状況は避けていただきたい。


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