JAおきなわ八重山地区ライスセンターは25日、今期収穫した「ひとめぼれ」の玄米990㌔を農産物検査法に基づいて検査し、1等と判定、新米の出荷を開始した。日本一早い新米は29日以降、JAファーマーズマーケットゆらてぃく市場など店頭に並ぶ。検査員の山根聡営農指導員は「台風被害が心配されたが、思った以上に充実し、質的にも良い。例年通り1等米のおいしい米ができている」と話している。
センターによると、今期の水稲は石垣島で750㌧、西表島で140㌧の生産量を計画しており、台風6号の影響で変動する可能性もあるという。
センターは石垣市と竹富町で収穫した米を扱っているが、今期は与那国町のライスセンターが製糖工場の建て替えに伴って稼働できないため、同町の約30㌧も受け入れる。センターは8月中旬ごろまで稼働する。
この日検査を終えて出荷された新米は、石垣市登野城の大浜博彦さん(80)が20日、名蔵浦田原で収穫したもの。
センターで乾燥、もみすり、選別、計量などの工程を経て袋詰めし、農産物検査員が検査した。大きさと形が整った「整粒」が1等米の基準となる7割以上に達した。
米をつくって60年以上という大浜さんは「去年も一昨年もオール1等だった」と満足げ。今期についても「平年通り良い」と自信をのぞかせた。
大浜さんは10㌶で栽培。面積が大きいため、2月1日から順次植え付けを行い、今月20日から収穫を始めている。
11日夜遅くから12日未明にかけて接近した台風6号の影響については、3月10日前後に植えた稲が穂をつける出穂開花期と重なり、被害が心配されたというが、開花しない夜間に短時間の暴風となったため、「心配するほどの被害は出ていない」という。