平年よりかなり遅れてユドゥン（梅雨）が到来。２年ぶりのトライアスロンもスイム中止やコース変更を余儀なくされた▼ユドゥンという言葉は、島の季節を表す特徴的な季語で好きな響きだが、パイカジ（南風）が吹き、蒸し暑い日が続くこの時期は、じっとしていても肌はベトベトして気持ち悪いし、家の床もジメジメとうっとうしい▼毎年の事とはいえシロアリやガジャン（蚊）、ゴキブリも増える時期。農家にとっては空梅雨も困るようだが日照不足も心配だろう。また観光客が少なくなる期間だが、各旅行会社では格安で八重山旅行を楽しんでもらおうと「はっぴーつーゆーキャンペーン」を展開している▼戦後70年、「八重山の戦争日誌」では１９４５（昭和20）年の郡内の状況をつづっているが、この年の梅雨はどうだったのだろう▼正木譲氏の「南風日記」によると５月13日から６月23日までの総降水量は５６０㍉を超え、５月19日から６月６日にかけては豪雨、本島で米軍の戦車は泥にはまり込み動きがとれず弾薬や食料の補給も困難で窮地に陥っていたと米軍の記録にあるという。島人はもっと大変だったと思う▼台風や地震にしても今年は何か変という声も。あとひと月ほど雨の季節が続く。適度に降ってくれると昨年のような水不足の心配をしなくてすむのだが（辻本順子）
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