薄れる「5・15」体験
1972年の復帰以降に生まれた43歳以下の人口数が、八重山の人口全体の半数を超えていることが3市町の3月末年齢別人口統計の集計で分かった。圏域人口5万3775人の51.7%に当たる2万7810人が43歳以下で、復帰を経験していない。復帰時に幼少期だった45歳前後を含めると、復帰を知らない人たちはさらに増える。
石垣市は人口4万8228人のうち43歳以下は2万5102人で、52.0%と3市町で最も割合が高い。
竹富町も4089人のうち2066人で50.5%と半数を超え、与那国町は1457人のうち642人で44.1%で、若い世代の人口の少なさが目立つ。
一方、復帰時の記憶がないとみられる45歳前後の人口の割合は石垣市で54.7%、竹富町で52.7%、与那国町で47.2%だった。
復帰以降の世代の増加に伴い、「復帰」体験の風化が進んでおり、特に若年層で顕著。八重山毎日新聞社が昨年の「慰霊の日」を前に郡内の小学5年生から高校3年生までの児童生徒を対象に行ったアンケートでは、「5月15日」が何の日か知っている割合は44.5%だった。