石垣島への自衛隊配備に向けて防衛省の左藤章副大臣は11日午後、石垣市役所で中山義隆市長と面談し、「石垣にも(部隊配備を)検討できるかどうか調査させてほしい」と協力を要請した。中山市長は「国防、安全保障に対しては協力体制は取っていきたいが、配備計画については情報をオープンにしていただき、市民の声を聞きながら判断させてほしい」と述べ、調査に協力する考えを示した。
南西諸島の防衛強化は中期防衛力整備計画(2014~18年度、中期防)に基づくもので、防衛省は奄美大島での警備部隊配備を決定。宮古島への配備も具体化しており、石垣島での調査も中期防の一環。
面談で左藤副大臣は「尖閣諸島の領海侵犯が日常的に発生し、自衛隊機の緊急発進も過去2番目の多さになるなど緊張感が深まっていることもあり、この辺(先島諸島)への部隊配置を考えざるを得ない」と、理解を求めた。
調査については「何カ所か候補地はあると思うが、インフラ面なども調査させていただき、その結果を市長に報告したい。地元の理解が一番なので丁寧に説明し、市議会や行政の判断をいただく手順がいいかと思っている」と述べ、市側の判断を重視する考えも示した。
中山市長は安全保障への理解と調査に協力する考えを示した上で「調査は市民に不安や混乱がないように配慮してほしい」と要望。陸自警備部隊配備計画の報道に触れ、「調査の結果や成果物ができたときは連絡してほしい」と情報提供を求めた。
左藤副大臣と中山市長の面談は同日午後1時20分すぎから20分ほど市役所市長室で報道陣に公開して行われた。面談後半の5分ほどは「個人的な雑談」として非公開だった。
防衛省は中期防に沿って奄美大島に18年度までの陸自警備部隊の配備を決定。宮古島への具体的な配備計画も左藤副大臣が同日午前、下地敏彦宮古島市長に説明した。
副大臣は同日正午すぎに石垣入りして中山市長と面談し、同3時すぎに石垣島を後にした。