早くも台風がやって来る。非常に強い台風6号は、きょう石垣島地方を暴風域に巻き込み、本島方面へ北上する見通し▼勢力を少し落とす予想だが、フィリピン方面では最大瞬間風速70㍍もの暴風が吹き荒れており、厳重な警戒が必要だ。八重山では台風常襲地としての長い経験から、猛烈な台風でも死者や重傷者がめったに出ない。防災面で素晴らしいが、台風「慣れ」には気をつけてほしい▼ただ、台風襲来のつど思うのは市内の防災無線があまり役にたたないこと。雨戸を閉めれば、ほとんど何も聞こえない。警報発令時には消防車が広報巡回するが、台風情報は、ほぼテレビやラジオ頼り。テレビはデジタル化により、データ放送が主になった▼このためお年寄り世帯の中には、NHK以外はニュースを除いて「台風情報を流さない」と勘違いする人もおり、子や孫が祖父母らに、データ放送の切り替え方法を教えておくことも大事だろう▼また、改善してほしいものが停電対策。電線や電話線類を地中に埋めておけば、停電のリスクは大幅に減るだろう。国道バイパス通りは地中化が進んでいるが、シードー線で実現できればかなり有効だろう▼隣の宮古島は過去の台風被害を機に行政が動き、電線類の地中埋設が進んでいる。石垣市は見習ってほしい。インフラ整備は強力な防災対策でもある。(黒島安隆)
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