八重山署(前田達史署長)に拾得物として届けられた現金は2014年度に930万7115円となり、12年度の601万1868円の1.5倍以上になった。12年度は新空港開港前の約11カ月間を含んでおり、新空港開港を挟んで落とし物が増加した格好だ。現金以外の拾得物では14年度、携帯電話や財布、鍵などのほかに入れ歯や位牌(いはい)なども警察に届けられている。現金は観光施設やフェリーの船中での拾得が目立つほか、川平駐在所に落とし物が多く寄せられている。
同署によると、忘れ物をしたとして遺失届のあった現金は14年度に2315万7668円となり、12年度の約1.1倍だった。
拾得、遺失ともに、場所は空港、大型店舗、コンビニエンスストア、ホテル、公共施設のほか、市内美崎町が多い。携帯電話や財布、旅行用バッグ、鍵、デジタルカメラ、ビデオカメラ、腕時計などが届けられた。犬や牛、馬、ハトやリクガメなどの生き物、入れ歯や位牌などもあった。2月には平野集落の路上で「2E」と記された車いすも拾得されている。
同署会計課の大嵩勝哉課長は「現金の落とし物は高額に上っている。落とし物をしないようにしてほしい」と呼び掛けている。
犬や猫が拾われた場合、警察で1週間保護した後、保健所に移管される。同所での抑留期間は5日間。この期間を過ぎると南城市の動物愛護管理センターに送られ、譲渡や殺処分などの措置が取られる。
生き物以外の拾得物が届けられた場合、3カ月の保管期間内に遺失者から訴えがなければ、所有権が拾得者に変わる。その後さらに2カ月間、拾得者が取得しなかったり、所有権を放棄したりすると各都道府県に権利が移る。