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5月に考えること

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■いま一度「沖縄を返せ」

 6日でゴールデンウイークも終わったが、楽しく有意義に過ごせただろうか。メーデーや憲法記念日、こどもの日で始まった5月は、きのうがゴーヤの日、あす10日は母の日、黒糖の日、愛鳥週間となり、12日は地域福祉を担う民生・児童委員の日だが、農村地区では委員不在が懸念されている。

 さらに15日は、真に復帰は果たせたのかの内実が今も問われる43回目の本土復帰記念日、17日は辺野古に新基地を造らせない数万人規模の県民大会が那覇市内で開かれる。そこで「沖縄を返せ」を歌い、いま一度かつての本土復帰運動のうねりを辺野古の新基地阻止闘争によみがえらせたいものだ。

 24日は昨年中断した石垣島トライアスロンが再開されるが、W杯を抜きにした装い新たな大会は注目だ。31日は世界禁煙デーだが、近年は若い女性の喫煙が目立つのが気になる。

 今月は消費者月間だが、原子力発電安全月間でもある。そこで「世界の100人」に選ばれた作家の村上春樹さんが提唱するように、原発を止めるため、呼称を改めるのも一つの方法だろう。それは核爆弾の恐怖を連想させる「核発電所」「核発」とすることで運動の盛り上がりが期待できるからだ。

■いよいよ自衛隊が来る?

 5月は、うるずんや若夏のすがすがしい季節から、梅雨入りのうっとうしい季節に入る月でもある。その通り14日には国際平和支援法など安保法制が閣議決定され、集団的自衛権行使容認で地球の裏側まで際限なく自衛隊を派遣できる「戦争法案」を許すのか止めるのかのきな臭い国会論戦が始まる。

 しかし自民の補完勢力となり、「平和の党」の看板も色あせた公明党にブレーキ役が期待できない今、国会を無視して米国と先に約束した同法案はその通り今国会で成立の公算大だ。日本もいよいよ「危険な国」になる。

 それだけに過半数が反対する国民世論をいかに盛り上げ、歯止めをかけるか。そして「自民一強」の中で自民党としっかり向き合う野党勢力も育てないと安倍政権の暴走は止められない。

 さらにうっとうしいのは、与那国に続いて宮古と石垣市への自衛隊配備がいよいよ具体化することだ。近く防衛副大臣が宮古への配備と石垣市の調査を要請する。尖閣問題を巧みに利用。辺野古新基地だけでなく離島の先島にまで自衛隊を配備して日本の国防の最前線を沖縄にだけ背負わせる国の不条理、理不尽は許されるべきでない。国防は当然全国で分かち合うものだ。

■あすは「母の日」だが

 あす10日は「母の日」だが、母たちは子どもの未来に希望を持てているだろうか。テレビのインタビューで若い母親は、「この子の時代に徴兵制が怖い」、別の母親は「貧富の格差社会がどこまで広がるか」と不安を語っていたが、その懸念は否定できない。

 非正規雇用の増加で子どもの貧困が増え、特に母子世帯の将来不安は大きい。地球規模の自衛隊派遣や離島への部隊配備で5兆円の軍事費がさらに膨張するが、その金を子どもたちの福祉や教育に回してほしい、子どもたちを戦場に送る国づくりはやめてほしいは多くの母たちの切なる願いだろう。


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