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沖縄の主権も回復せよ

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 ■沖縄は屈辱の日々

 

 きょう4月28日は敗戦後の日本が占領状態から解放され、独立した日だが一方で沖縄や奄美、小笠原諸島が日本から切り離され、米軍の統治下に置くと定めたサンフランシスコ講和条約発効の日であり、さらに沖縄に基地を押し付ける日米安保条約発効の日だ。

 沖縄はこの日を「屈辱の日」と呼んでいるが、確かに去る大戦では本土防衛の捨て石にされて20万人余が犠牲になり、戦後は銃剣とブルドーザーで強制接収された広大な米軍基地から派生する爆音や米兵の犯罪に苦しめられ、それは本土復帰から43年経た今も変わらず続く「屈辱の日々」だ。

 そういう日によりによって安倍政権はおととし、日本の独立を祝う「主権回復の日」式典を開催。折しも米軍普天間飛行場の辺野古移設に加えてオスプレイの強行配備が問題になっていたさなかだけに、沖縄の主権は無視したままの式典開催は県民感情を逆なでし、大きな怒りを買ったのは記憶に新しい。

 さすがに昨年は開催されなかったが、しかし今年はいみじくもこの日、日米が首脳会談を開き、またも沖縄の民意と主権を無視して「辺野古移設」を再確認の予定だ。

 

 ■広がる反対の国民世論

 

 そのため沖縄でもこの日、「止めよう辺野古新基地・県民無視の日米首脳会談糾弾4・28屈辱の日県民大行動」の集会をキャンプ・シュワブ前や大浦湾、県庁前広場で早朝から相次ぎ開催するほか国際通りをデモ行進し、日米両政府に抗議と怒りの拳を上げる。

 国土の0.6%の狭い島に日本の米軍施設の74%が集中する不条理は、戦後70年経た今も日米両政府から一向に顧みられる気配はないが、くじけずに諦めずに日米の国民世論に訴えていけば必ず道は開けるはずだ。

 県紙報道によると、その兆しは翁長雄志知事が菅義偉官房長官、安倍晋三首相と初面談以降、全国紙の世論調査で着実に表れている。朝日新聞の調査では辺野古移設に賛成30%に対し反対41%、安倍政権の対応について評価する25%に対し評価しないは55%。毎日新聞は政府の進め方に賛成34%、反対53%といずれも批判的であり、政府を支持する読売新聞も安倍政権の方針を評価する、しないが41%で並んだ。

 日本経済新聞とテレビ東京の結果も辺野古移設計画通りの36%に対し、見直すべきが47%だったという。

 

 ■辺野古断念で主権回復

 

 さらに世論喚起の辺野古基金は、わずか2週間で約3990件の約9000万円が全国から寄せられ、今なお続々寄付が集まっているという。

 それは各種選挙で圧倒的な民意を受けた翁長知事の「辺野古に新基地は絶対に建設できない。沖縄に代替案を出せというのは国の政治の堕落」などとする官房長官や首相への訴えが国民の共感を呼び、こうした反対世論の広がりとなったのは確かだ。

 翁長知事は安倍首相との面談で、日米首脳会談では沖縄の民意をオバマ大統領に伝えるよう要請したが、首相はそれを確実に伝え、日米両政府で辺野古での新基地建設を直ちに断念すべきだ。それが首相の言う「沖縄の方々の気持ちに寄り添う」というものだ。


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