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津波注意報に全島緊張 与那国近海地震

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白浜消防分団などの協力を得て高台に避難した白浜小の児童ら=20日午前、白浜神社付近(白浜小提供写真)

 

 「台湾近くで地震発生。強い揺れに備えてください」―。20日午前10時42分、緊急地震速報が流れ、同47分には津波注意報が発令された。想定された津波の高さは1㍍。郡内は一時、緊張感に包まれ、沿岸部の学校では子どもたちを安全な場所に避難誘導させ、注意報解除まで待機させた。八重山毎日新聞社が集計したところ、3市町の21校の児童生徒と11園の園児ら合わせて3790人がグラウンドや校舎最上階、校外の高台や施設に避難した。

 

 

 石垣市内で最も沿岸に近い八島小学校とあまかわ幼稚園(吉濱剛校長・園長)では、児童283人、園児44人が午前10時58分、吉濱校長の校内放送を合図にライフジャケットを着用して一時避難場所の真栄里公園へ。9分後に全員の移動が完了した。

 

 同校の避難訓練では、近海で発生した大津波を想定して全力で走っているが、吉濱校長は「今回は情報から判断して徒歩で避難した。子どもたちは自分の安全を守るため、慌てずに避難できた」と話した。

 2月に右足骨折し、松葉づえに頼る黒澤ちやこさん(5年)は車いすに乗り、担任の介助を受けて避難。「みんなと逃げたから不安はなかった。2階の教室から先生がおぶって下りた。どこから波が来るかと考えながら避難した」と語った。

 子どもの身を案じて現場に駆けつける保護者も大勢おり、小学6年男児の母親(45)は「両親を津波避難ビルに連れて行った後、避難が遅いので心配になり、駆け付けた」、小学2年と幼稚園に通う女児の父親(49)は「緊迫した状況ではなかったが、念のため子どもを見に来た」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 与那国町教育委員会によると、町内では比川小学校(東迎和芳校長、児童8人)とひがわ幼稚園(園児4人)は近くの高台に、久部良小学校(廣幸和校長、児童32人)とくぶら幼稚園(園児14人)、久部良中学校(東濵一郎校長、生徒8人)は同中体育館2階にそれぞれ避難した。いずれも混乱なくスムーズに移動できたという。

 廣校長は「授業中だったが、速やかに避難できた。よい訓練にもなった」と話し、東濱校長は「何事もなくて安心している」と胸をなで下ろした。

 

■児童ら高台でじっと

竹富町の消防分団が避難誘導

 

 波注意報の発表を受け、竹富町では防災無線と各島の消防団を通して住民に高台へ避難するよう呼びかけた。町内では、竹富小中学校と黒島小中、大原小とおおはら幼稚園、西表小中、西表保育所、白浜小、船浮小中、鳩間小中の計7校・2園で210人が学校の2階や屋上付近、高台に避難した。 

 このほかの学校では一時、校庭に避難。津波を警戒しながら校舎に戻り、いつでも避難できる態勢を取った。

 白浜小(金城光吉校長、児童15人)では、地震速報とともに児童らがグラウンドに集合。白浜消防分団の佐々木要副団長や河島充PTA会長などの協力を得て午前10時55分に学校裏の白浜神社入り口(海抜25㍍)に避難した。

 同校の金城義紀教務主任は「避難行動や指示は訓練通りできていたが、避難完了時に保護者への一斉メールが遅れたことが反省点。改善したい」と話した。

 


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