20日午前10時43分ごろ、与那国島の南西約80キロ付近を震源とする地震があり、与那国町で震度４、石垣市と竹富町で震度１―３の揺れを観測した。気象庁によると、震源はごく浅く、地震の規模を示すマグニチュードは６.８と推定。与那国町総務財政課によると、２、３秒の微動があった後、大きな横揺れが10秒程度続いた。地震による被害は報告されていない。同庁は高さ１㍍の津波が発生する恐れがあるとして宮古・八重山地方に津波注意報を発表したが、潮位の変化はみられず、約１時間後の同日午前11時50分に解除した。これに伴い、沿岸部の学校が避難。旅客船が一時沖合に移動したため、離島航路の一部に欠航便が出た。石垣島地方気象台によると、宮古・八重山地方への津波注意報発令は２０１３年２月６日、南太平洋サンタクルーズ諸島で発生した地震以来２年ぶり。
被害報告なし
気象庁で同日記者会見した地震火山部管理課の中村浩二地震情報企画官は「今後１週間は、最大震度３程度の余震が起きる可能性がある」と述べた。
八重山各地の観測では▽震度４（与那国町久部良、町役場）▽震度３（与那国町祖納、竹富町船浮）▽震度２（石垣市登野城、同平久保、同新栄町、同美崎町、竹富町大原、同黒島、同波照間、同上原）▽震度１（石垣市新川、同伊原間）。同庁は地震直前、緊急地震速報を発表していた。
３市町は、津波注意報の発令後、防災無線や車両などで沿岸部に近づかないよう呼びかけた。第11管区海上保安本部石垣航空基地が航空機１機、ヘリ１機、石垣海上保安部は巡視艇３隻をそれぞれ出動させ、警戒に当たった。
揺れの大きかった与那国島では、町役場が第１配備体制として消防団を招集。消防団員十数人が３班に分かれて海岸部を回り、人がいないかどうか確認した。
酒造所の従業員の一人は「ビンが落ちて割れるなどの被害はなかったが、工場の金属がきしむ音が聞こえた」と話した。