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野鳥も観光に一役 与那国

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野鳥の観察を楽しむ愛好家=10日午前、田原川沿いの水田

 【与那国】国内でも有名な探鳥地となっている与那国島は4月からバードウオッチングの季節を迎え、野鳥の渡りに合わせて多くの野鳥愛好者が来島している。テレスコープをのぞき込んだり、望遠レンズを使って野鳥の姿を撮影したりする姿が、水田など島内各地で見られるようになっている。ピークは4月から5月にかけて。野鳥たちが島の観光に一役買っている。(比嘉盛友記者)

 

 ■まるで探鳥会

 10日午前、田原川沿いの農道でレンタカー5、6台が列をつくっていた。十数人が道路沿いにテレスコープを並べ、川向こうの水田を観察。どこかの団体が企画した探鳥会と思ったが、自然と集まりができていた。水田では、ホオジロハクセキレイがエサをついばんでいた。

 初めて来島したという日本野鳥の会東京支部所属の木村辰雄さん(79)は「わくわくする」と興奮気味、7度目という同長野支部の新井清雄さん(76)は「珍鳥を見るのが楽しい。見たことない鳥を撮影したい」と写真撮影に夢中。

 野鳥カメラマンの土方秀行さん(64)=神奈川県=は「きょうは、今シーズン初めてキガシラセキレイを確認できた」と、うれしそうだ。

 ■長期滞在が特徴

 野鳥観察で訪れる人たちは滞在日数が長いのが特徴で、与那国島に通って21年になるという土方さんの今年の日程は3月27日から15泊。「来島者の平均滞在日数は5日前後。今シーズンも100人以上が入ってくるだろう。野鳥が貴重な観光資源にもなっているのではないか」と話す。

 野鳥図鑑の「決定版 日本の野鳥650」(平凡社)で写真を担当した動物映像家の真木広造さん(66)=山形県=は約25年間通い続けており、多いときで年間100日以上滞在したことも。

 「与那国島は、台湾や大陸の野鳥が出入りするルートとなっており、大陸の珍鳥を見ることができる。本土ではめったに見られない野鳥も与那国島では普通。与那国島は魅力たっぷり」と説明してくれた。

 ■「共存共栄」

 一方、真木さんは「ここ数年、野鳥が減っている」と指摘、原因の一つとして田んぼの減少を挙げる。

 与那国町産業振興課によると、耕作できる水田は73㌶あるが、植え付け面積はここ数年、40㌶前後に落ち込んでおり、今期は水不足の影響でさらに減少する見通し。

 真木さんは「田んぼに水があるといろんな生物が湧いてくるが、休耕地だと雑草だらけになって鳥は降りて来なくなる。エサ場の環境がないと渡り鳥は素通りしてしまう。鳥と人間は共存共栄の関係にある」と話した。


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