3月の雨などの影響で、石垣市内ではサトウキビの刈り取り作業が遅れている。石垣島製糖(加納成浩社長)では8日現在、今期予定している原料7万8900㌧のうち、約6000㌧が搬入されておらず、3月27日に終わる予定だった操業を延長し対応している。同社の担当者は「雨の影響でハーベスターでの収穫作業ができなかったのが大きな要因。搬入時間の延長などは考えていない」と話している。
同社は当初、今期生産量を前期実績より4252㌧多い7万5734㌧と予測したが、2月下旬に7万8900㌧に上方修正。操業は2014年12月17日に始まり、増収と雨の影響で操業期間を延長している。
近年はハーベスターなどの機械刈りが主で、今期の稼働率は昨年に続き60%(前年67%)を超える見通しだが、同社は搬入の遅れについて「生産者の高齢化で手刈り農家が減少し、キビを倒せないのが現状。機械刈りの待機状態が続いている」とみている。
一方、工場の1日の処理能力は900㌧だが、原料の搬入が平準化されず、フル稼働に至っていないようだ。
生産農家の男性(63)は「天候の影響で刈り取り作業が遅れているのは仕方ないが、小型のハーベスターを導入して各農家の作付面積に合った刈り取りを行うなど作業効率を向上させてほしい」と要望した。
同社の担当者は「品種によっては機械刈りに不向きなほ場もある。小型機械は性能面に課題もある」と話した。