中山義隆石垣市長は19日、1次医療のあり方に関する検討委員会(委員長・宮平康弘八重山の医療を守る郡民の会会長、委員19人)から答申を受け、休日夜間診療など1次救急体制について「市が責任をもって取り組んでいく」と明言した。医師確保などの運営体制の構築のほか、検討委で賛否が割れたため答申に盛り込まれなかった市立休日夜間診療所の設置場所が、今後の課題となる。設置場所について市は「早急に検討する」とした。
市立診療所の設置場所をめぐっては▽県立病院内併設▽同病院敷地内隣接▽独立した場所—の選択肢があるが、郡民の会は「併設」を県に要望、八重山地区医師会(上原秀政会長、会員37人)が会員に行ったアンケートでも回答者(20人)の8割が「併設」「隣接」を望んでいる。
この場合、県との調整が必要となる。新県立病院の基本計画策定作業が具体化している状況を受け、市は「今後、県病院事業局と調整しながら早急に検討したい」(前底正之市健康福祉センター所長)としている。
これに対して県立病院の医師から「併設や隣接だと負担軽減にならない」と否定的な意見もあったが、市によると、病院事業局は設置場所の調整に協力的な姿勢を示している。市は設置場所の確保と並行し、運営体制の構築も検討していく。
一方、当面の診療体制については、来年1月から夜間診療体制への移行を予定している八重山地区医師会の上原秀政医師(上原内科医院)が一部を担うとしているが、365日24時間の対応はできない。このため、市は「市民から要望が出てくれば検討していきたい」(同)と支援の検討も行う考えを示している。
答申は▽医療体制▽地域医療連携▽休日夜間診療体制—について現状と課題を整理し、提言を盛り込んだ。各機関が課題解決に向けて短、中、長期に取り組む事項も列挙している。
市健康福祉センターで答申書を提出した宮平会長は「1次救急については市が責任をもって遂行するとの決意で取り組むなど、答申内容を実現してもらいたい」と要望した。