何ヵ月か前、麻生副総理がこの内閣はナチスのまねをして、国民が知らないうちにどんどん権力を集中すればいいんだよとの意味の発言をして総批判を受けあわててお茶をにごしていたが、安倍内閣のなすことを見ているとまさに麻生氏が発言した通りとなっている▼まず人事では通貨の番人たるべき日銀総裁、憲法の番人たるべき内閣法制局長官、そして公共放送の番人たるべきNHK経営委員などにすべて自分の息のかかった人物を指名▼政策では改憲を狙って改憲発議条件を国会議員の3分の2から2分の1へとゆるめ、秘密保護法案の提出を準備、そして国定教科書を目指して教科書編集に国の立場を反映させ、さらに道徳教育を強化するとの文科相の方針発表など▼恐ろしい事態が着々と進行している。この内閣はブレーキが利かないようになっているのだ▼気がついてみたら日本国民はとんでもない状態に陥っている可能性がある。政府は暴走状態に入りつつある。我々は自分の人権を守るためには我々の方からその暴走にブレーキをかけなければならない▼昔見た、チャプリンの「独裁者」という映画の一場面を思い出す。そこではヒトラーが地球儀をかたどった風船を頭で打ち上げたり足で受けとめたりしてうっとりと戯れていたのだ。(八重洋一郎)
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