翁長知事の作業停止指示に不服審査請求や執行停止申請で対抗し、ボーリング調査を続行する国の理不尽で不条理なごり押しに「どこまで沖縄をばかにするのか。負けてたまるか」とあらためて知事支援に思いを強くした県民は多いだろう▼首相らは本土の人々向けには、「沖縄の気持ちに寄り添い」「ていねいに説明して理解を求め」「粛々と計画を進める」と殊勝なことを言いながら、現地でやっていることは全く逆だ▼知事との面談を拒絶して沖縄の民意を一切黙殺。問答無用で海上保安部や警察を使って暴力的になりふり構わず作業を強行しているというのが国のいう「沖縄の気持ちに寄り添い粛々」の実態だ▼沖縄では常軌を逸した主権侵害がまかり通っているが、辺野古の新基地建設も「米国の利益優先」の主権侵害であり弾圧だ。本土のメディアはこうした沖縄の実態を全国の人々に誤解なくきちんと伝えるべきだ▼恐らく今後は双方で訴訟合戦となり、沖縄は強大な国家権力を相手に困難な戦いを強いられることになるだろう▼人間は弱いもので力の強い長い物に巻かれがちだ。しかし人生に何度かは長い物に抵抗も必要だ。特に今回はウチナーンチュの尊厳を守り、国の理不尽な沖縄差別をここで止めるために、「この期に及んで」の圧力にも屈せず、新基地断念まで声を上げたい。(上地義男)
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