【西表】24日午前8時3分ごろ、西表島高那の県道で交通事故死とみられるメスのイリオモテヤマネコ1頭が見つかった。輪禍は今月20日に続いて今年2件目。個体回収後の検査で妊娠していることが分かり、胎児も死んでいることが確認された。相次ぐ交通事故死を受け、環境省と竹富町では夜間パトロールなどを強化することにしている。
西表野生生物保護センターによると、死んだメスの亜成獣は体重2880㌘、体長55㌢。昨年8月に交通事故で保護され、事故から初の野生復帰個体として6カ月にわたって追跡調査が行われていた。
路肩に横たわっているのを同センター職員が発見し回収。目立った外傷はなかったが、前夜に路上で活動している様子が観察されており、発見の状況から交通事故死の可能性が高いと判断した。また「出産はそう遠くなかった」とみられている。
イリオモテヤマネコの目撃が多発している区間では注意標識を設置しているが、今年の事故は2件とも標識設置箇所の付近で発生していることから、同センターでは、標識付近では車の運転に十分注意するよう呼びかけている。
2010年以降のイリオモテヤマネコ交通事故件数は10年に5件、11年2件、12年2件、13年は過去最多の6件、14年は4件発生している。