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メタン発酵試験用プラント 5月メドに運転開始

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発酵槽(中央のタンク)と調整槽(左)、液肥用タンク(右)、制御盤(手前)などを備えるメタン発酵試験用プラント=23日午後、石垣市し尿処理場内

 生ごみや、し尿汚泥などをメタン発酵させ、発酵後にできる消化液を農作物の液肥として取り出す石垣市のメタン発酵試験用プラントが、し尿処理場で整備されており、今月27日には完了する予定だ。市農政経済課によると、4月以降、管理運用体制を構築した上で5月をメドに試験運転を開始する。市は3年間かけ、サトウキビや草地などに液肥を散布して生育状況を調べるほか、液肥散布機の開発、生ごみの液肥化に伴うごみ処理施設の延命化、生ごみの回収方法を検証するなど、事業化に向けた取り組みを進めていく考え。

 廃棄処理されている生ごみなどの有機物資源を液肥として活用するなどして、循環型社会の形成を目指す取り組み。市は2015年度予算で、一括交付金を活用した資源循環エコアイランド推進事業として2093万円を確保している。

 メタン発酵は、メタンガスの働きで有機物を分解し、バイオガス(二酸化炭素、メタンガスなど)を生成する作用。発酵後の消化液には窒素やリン、カリウムなどが含まれるため、肥料として活用できるという。

 試験プラントは、調整槽(5立方㍍)、発酵槽(40立方㍍)をそれぞれ1基、液肥用タンク(5立方㍍)を4基を完備。調整槽から発酵槽、液肥用タンクに連結させている。

 実証試験では1日、原料1㌧(生ごみ0.3㌧、酒かす0.1㌧、し尿汚泥0.6㌧)を確保。発酵槽にメタン菌を入れ、熱を加えない無加温での発酵を試みる。順調にいけば8月ごろには1日1㌧の液肥が取れるようになる。冬場の20度以下の状況で、メタン菌が耐えられるかどうかが課題になるという。

 メタン発酵で発生するガスは、し尿処理上の施設フレアで燃やすことになるが、15年度以降に小規模なガス発電機の導入も検討する。

 メタン発酵消化液の利用を研究している岩下幸司農林水産部長は「小さな失敗を積み重ねていくことになると思うが、これによって数年後の実機建設に向けてあらゆる技術、ノウハウを蓄積することができる」と話している。


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