「目標は2けた勝利」-。ソフトバンクホークスの嘉弥真新也(24)がプロ3年目となる今年を見据えた。2013シーズンは1軍初先発を経験し、7月のロッテ戦では初勝利。入団会見で下積み時代を思い出して涙した左腕は、戦いのステージを着実に上がってきた。年俸は一気に1800万円増の2800万円。球団側は「先発で」と期待を込める。石垣島から飛び立った若鷹が先発ローテーション入りを狙う。
2013シーズンは40試合に登板し54回1/3を投げて3勝1敗4ホールド。防御率2・32という抜群の安定感。
嘉弥真は「(数字は)気にせずやっていた。結果が出てよかった。いろんな経験ができた一年だった」と振り返る。球団側からは契約更改時に「勝ち試合や負け試合、ロングリリーフなどさまざまな場面でよく頑張ってくれた」とねぎらいの言葉をかけられた。
今季、2軍でスタートを切った背番号57は5月末までに6勝。同月のミズノ月間MVPを獲得し、1軍に昇格。同月31日の広島戦に中継ぎとして今季初登板した。
当初は試合をつくらなければという気負いから、緊張で震えたが、投球回数を重ねることで「徐々に自分の投球ができた」。ピンチを切り抜けたり、打者を抑えたりした自らの投球を客観的に振り返る「冷静さがあった」と自身の成長ぶりを語る。「ただがむしゃらに投げていた」という2012シーズンからの進化である。
「まだ投げる体力がない」とスタミナ面では課題も残る。
独特の変化をみせる“嘉弥真ボール”で打者を惑わし、先発でフル回転する嘉弥真の雄姿が見られるのか。期待が膨らむ。(年俸は推定)
【プロフィル】
嘉弥真新也(かやま・しんや)
石垣市白保出身。八重山農林高校、ビッグ開発ベースボールクラブ、JX-ENEOSを経て2012年ドラフト5位でソフトバンク入団。身長171㌢㍍、体重65㌔、左投げ左打ち。