【与那国】与那国の文化や歴史の発信拠点として町が浦野地区で建設を進めている与那国島歴史文化交流資料館の愛称が「ディディ与那国交流館」に決まった。「ディディ」は与那国方言で「行こう行こう」の意味。同館運営準備協議会が18日に祖納集落にある古民家・佐久川家で初めて開催したプレオープン企画のなかで報告した。オープンは2016年1月を予定している。
同館は、与那国の「食」「唄」「風」をテーマに食の体験、郷土芸能や周辺地域との交流の歴史を発信するもの。先月からは、各テーマを担当するスタッフ3人が研修を行っており、オープンに向けた資料収集などの取り組みが本格化している。
愛称は、同協議会が公募から決定し、島内をはじめ、北海道や名古屋から応募があった。
スタッフの研修成果を披露するため開催された同企画には、地域住民ら約30人が参加。スタッフは与那国の赤子の誕生儀礼として、出産があったばかりの家族が家屋に掲げる「シル・ンナ」(産縄)や赤子の命名の習俗などについて解説。実演も行い、古くからある島の営みを再現した。
また、町史編さん委員の米城恵氏が与那国の人の一生、死生観をテーマに講話した。同企画は今後も継続して開催していく。
同企画に同席した外間守吉町長は「培った文化をしっかり継承し伝承したい」と述べた。(田頭政英通信員)