八重山では十数年前まで、種子取祭のカタバル馬やイベントでの競馬、農耕馬などで馬に携わる人が多く、愛好会や各地域でも馬に乗る人がいたが、近年は馬に乗る人が減り、メンバーも高齢化するなど、活動の減少や休止状態の会もあるという。
以前は平得や大浜、白保、川平などでも競馬が盛んに行われてきたが、車社会にともなう道路の舗装などが進み、蹄鉄(ていてつ)をつけた馬が走ることが困難なアスファルトの道路が増えたことにより、レースができる場所も減ってきた。
平得の農道(現・沖縄ヤマト運輸石垣島支店付近)や真栄里(現ANAインターコンチネンタル石垣リゾート前)などでも行われていたという。
しかし、レースの機会が減り、会員の高齢化、馬に乗れる人も少なくなり、現在では種子取祭や観光などでしか馬と触れ合う機会がない。
15年ほど前に結成された平得愛馬同好会では、伝統行事の種子取祭でカタバル馬を披露するほか、5月の大型連休には名蔵の海岸で馬遊びなども行っている。
会員の新本信市さん(72)=平得在住=は「子どものころは石垣島だけでなく、周囲の離島からも30頭以上の馬が競馬に参加し、大いに盛り上がった。つながれている多くの馬の姿に興奮したのを覚えている。最近では、馬に乗れる人も減ってきているが、馬文化を絶やさないためにも若い人たちなど会員の拡充を図っていきたい」と話した。
同会では旧石垣空港の解体後、さら地になった滑走路で空港お別れ記念としての競馬などのイベントができないかと考えている。