今月29日にスカイマークが撤退することで郡民の間から、「航空運賃が元に戻るのでは」の懸念があったが、4月からの各社の届け出運賃を見ると、むしろそれ以上となった▼たとえば那覇|石垣は12年4月、県の離島割引で片道9400円と半額近くに驚くほど安くなった。そこにさらに新空港開港で翌13年7月、スカイマークが格安の片道5000円で新規参入。宮古・八重山は周知の通り驚異的な“格安運賃”に湧いた▼それが今回、普通運賃で当時の5倍以上、離島割引増額でも1万500円と前回よりむしろ1000円以上も高い運賃となった。いわばそれは「スカイマーク撤退便乗値上げ」ともいえるものだ。そしてそれは航空各社の動向を見極めないまま、早々と離島割引再開を要請した市町会や議会に促された面もある▼各路線には依然、格安の「早割運賃」があるが、それでも7日前予約の那覇のホテルパックは、最安で1万7200円と昨年より3000円以上も高騰。飛行機は再び「生活路線」にほど遠い存在に戻った▼今回新規参入の航空会社が運賃設定で物議をかもしたが、地域の足を引っ張る参入は迷惑というものだ▼今回の運賃改定でさらに懸念されているのが、好調な観光への影響。航空各社は従来の生活路線を保証し、地域がさらに活性する運賃に改めるべきだ。(上地義男)
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