【西表】竹富町が新築整備した竹富町西表製糖工場を指定管理する西表糖業㈱(金城一夫社長)の今期操業が19日、始まった。工場の建設遅れで当初予定の1月初旬から約2カ月半ずれ込んだ。操業は6月5日までの2カ月半を予定。生産量は前期を651㌧上回る8004㌧を見込み、1日平均100㌧の圧搾を予定している。操業開始に当たり同糖業の金城社長は「経験したことのない操業となるが、全職員が一丸となり操業に当たりたい」と決意を示した。同製糖は今期、収穫面積約142㌶(前期比7㌶減)、10㌃当たりに単位収量約5・6㌧(前期5・2㌧)で、8004㌧の生産量を見込む。製品歩留まりは14%、黒糖の生産量は1120㌧を予定している。
同糖業では、操業遅れによる甘しゃ糖度の低下を防ぐため、早生品種から収穫を進める方針。波照間から原料の刈り払い機2機を導入。収穫の労働力不足を補う。
西表島サトウキビ生産組合の山城富正組合長は「初日から暑くなったが、まだキビが良い内に1本でも多く収穫したい。刈り払い機は大分助かる。後は工場、機械が順調に稼働してくれることを願うだけ」と話した。
操業開始に当たり午後3時から工場内で操業開始式があり、同工場の金城社長が「これから夏に向け、非常に厳しい操業となるが、1本でも粗末にすることなく、よい製品を作りたい」とあいさつ。
職員が原料が流れるベルトコンベヤーを酒と塩で清め、金城社長や山城組合長、大原中学校の奥土晴夫校長ら5人が、短くカットされた原料をコンベアに投入。操業の安全を祈願した。
工場には午後2時すぎに18日から収穫を始めた大原中学校のサトウキビなどが搬入され、工場に活気が出た。最初に搬入されたキビの甘しゃ糖度は15・1度と、昨年なみの高糖度での滑り出しとなった。
同工場は町が一括交付金事業を活用した県含みつ糖製糖施設近代化事業で整備。1日当たりの原料処理能力がこれまでの80㌧から最大120㌧に拡大した。