「行政の大罪」と思うことがある。石垣市都市計画の公園整備計画だ。事業がスムーズに進めば何も問題ない。ところが、いつから工事が始まるのか、メドすらつかないのでは、地権者はたまらない▼街中の公園で、子どもたちやお年寄りが散歩したり、軽スポーツを楽しんでいる光景はほほ笑ましい。失いつつある隣近所とのコミュニケーションの場にもなる。都市計画法に基づく公園整備は歓迎▼しかし公園計画の決定通知を受けた地主はどうか。自分の土地ながら法的制限がかけられ、事業が始まるまで、簡易施設を建てることしか許されない。数十年も待たされたあげく、死去した人もいるだろう▼先日の市議会でこの問題が取り上げられ、都市計画決定公園25カ所のうち、14カ所が長期間未着手のままということが分かった。予算の確保ができなければ、さらに整備計画は延びるし、「100年待たされるか」とやゆされても仕方ない▼「財産権の侵害」との訴えで、真喜良第二団地東側の都市計画緑地帯が解除されたことがある。この場合、同等の面積の代替え緑地を確保して指定を解除、現在は住宅地になっている▼市議会での指摘に、市は変更の検討意思を示したが、要は公園を本気で整備する気があるか、ないかだ。役所は担当者が変わる。解除するのは解除、必要なのは整備すべきだ。(黒島安隆)
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