昨年秋に設立されたNPO法人八重山織物工芸産業振興会(新賢次理事長)の設立記念講演会が14日夕、石垣市健康福祉センターであった。講師を務めたNPO法人沖縄工芸産業協働センターの小橋川順市理事長は県内で糸の紡ぎ手が育っていないことを挙げ、「人材を育て、自分たちの産地の織物の品質をしっかりと保っていくことが大事」と述べた。
小橋川氏は、台風や干ばつで農作物の収穫が不安定な沖縄では、農作物の代納品として織物が発展し、島ごとに固有な織物があることを紹介し、「アジアと沖縄の染織は類似点が多い。小さな島の文化としてだけでなく、アジアという大きなスケールのなかで染織文化をとらえることも必要」と強調した。
八重山の織物に対しては、「八重山上布の1年間の生産反物の数が正確に把握されていない」と指摘した。