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県議に聞く 高嶺善伸氏、砂川利勝氏

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高嶺善伸氏

2013年の県議会は、新県立八重山病院の新築や石垣ー波照間航空路線の再開に向けた動きが大きく前進した。2014年もそれぞれの取り組みはさらに進んでいく。開港したばかりの新石垣空港の利活用も含め離島のさらなる発展に期待がかかっている。八重山毎日新聞社は、石垣市区選出の県議会議員で社民・護憲の高嶺善伸氏(63)と自民の砂川利勝氏(50)に昨年の動きを振り返ってもらい、今後の離島振興に対する考えを聞いた。

 

高嶺善伸氏

3市町の課題解決へ 持続的発展の取り組み強化

■2013年を振り返って

 待望の新石垣空港が開港し、いよいよ新空港時代が始まった。新空港開港を八重山景気回復元年と位置づけてきたが、観光客も年間90万人に達する勢い。特に格安航空会社の新規就航で新石垣空港発着の航空運賃が格安となったことは大きな効果。また、離島医療の要である県立八重山病院の移転新築も旧空港跡地利用が決まった。一方で日本にとって沖縄とは何かと考えさせられる年でもあった。国土の0・6%である沖縄に在日米軍専用施設の約74%が集中し、国の安全保障の負担が押し付けられている。過重な米軍基地の負担軽減と危険性除去を求めて、県議会も普天間基地の辺野古移設に反対する決議を全会一致で行い、41市町村と連携して県外移設を政府に訴えてきた。しかし、県選出自民党国会議員や自民党県連が公約を変更し、オール沖縄の自己決定権が懸念される1年でもあった。

■2014年の八重山における課題

 一括交付金を活用した離島振興策を含み、農林水産物流不利性解消事業の拡充、日台、日中漁業協定の早期見直し、漁場の確保と安全操業、TPPから農林水産物を守る取り組みを進めたい。特に昨年は、石油製品輸送費補助事業が拡充され、島々の石油製品価格差で一定の解消が進んだ。今後も引き続き制度の拡充を検討し、価格差の是正に取り組みたい。それから離島住民等交通コスト負担軽減事業は、格安航空会社の就航で競争が発生して適用保留になった。これは、継続すべき事業で、いつでも発動できるように予算を確保して住民の移動権をしっかり守っていきたい。

■新石垣空港の利活用

 東アジアの結節点としての空港機能を最大限に発揮させる取り組みが必要だ。そのためには、国際旅客ターミナルビルの整備を早急に行い、基本的なインフラ部分はしっかり改善していきたいと思う。従来使っている国道、農道も交通事故が発生する可能性が大きいということで、これも含めて空港アクセス道路整備も早期開通に向け取り組んでいきたい。そして八重山でしか体験できない魅力というものの受け皿をつくっていく必要があると考えている。国内外から新空港を経て集まれるような受け皿づくりに取り組みたい。

■新県立八重山病院建設と石垣空港拠点の波照間航空路線への考え

 新県立八重山病院は、旧空港跡地内の病院敷地を広々と確保し、医師、看護師、関係スタッフの確保、地域完結型の診療体制の確立が必要だ。そして、国境医療、医療ツーリズムも視野に入れた先進医療の導入に取り組みたい。3市町の命と健康を守る拠点病院として病院機能を継続できるよう目指したい。波照間空港は、やはり住民の移動権という意味で航空機の就航は必要だ。できるだけ事業者への負担が軽減できるような形で再開のめどを付けたい。老朽化している波照間空港は、就航に合わせて空港ターミナルビルを南の新しい玄関として整備し、地域活性化に寄与できたらと思う。

■2014年の抱負

 八重山3市町との連携、島々の課題解決支援が県議としての役割だ。与那国は、ジェット機が撤退して観光振興、特産品の輸送に支障が出ており、ジェット機が再就航できるよう取り組みたい。そして海抜の低い離島を抱えた八重山圏域を災害に強くするための提言をしていく。これら八重山に関しては、党派を超えて一致でき、逐次、課題を共有して問題解決のために協力して取り組んでいきたい。最後はやはり、新石垣空港。観光客も大分増えているが持続的発展のためにも世界自然遺産登録を進め、八重山圏域の発展に向けた取り組みを強化していきたいと思う。

 

砂川利勝氏

さらに離島苦の解消 政治のあり方は地域密着型

■2013年を振り返って

 離島の課題解決が図られた1年だった。特に、八重山病院の建設や新川団地建設を含む各取り組み、波照間空港の再開に向けた話しが前進した。離島のガソリン価格が下がったというのも大きな成果の一つで、石垣港を経由した竹富町離島の船賃も補助対象となることも決まった。そして農林水産物に関して県が進める不利性解消事業も、輸送費にはかなりの補助が出たし、そこでしっかりと利益は得られた思う。これからも引き続き、農林水産物で良いものを多く作って、外に出していける形をつくることができればと考えている。

■2014年の八重山における課題

 水産に関しては、やはり日台漁業交渉。マグロの漁獲高は、去年と同様だったと聞いている。ただ、一番捕れる先島の北側には漁に一切出ていない。そこで漁ができれば漁獲量も上がると思う。そういった中でしっかりしたルールづくりが必要だ。農林水産は他にもTPPなどいろいろと問題がある。また、石垣市が水族館の建設などいろいろと計画しており、そこも後押ししたい。そしてメインはゴルフ場。石垣に無いのはこれだけだ。このゴルフ場は、公認コースとして整備し、石垣島で大きいトーナメントも開催できればよいと考えている。今でさえ名前は売れているが、もっと有名にするにはそれが一番だ。

■新石垣空港の利活用

 八重山の観光入域者数が増えているのは誰もが認めるところ。その観光客もまだまだ増えてくるので、その受け入れ態勢をしっかり整えるべきだ。2014年は、観光客が増えていくことと、それに対応する施設も当然整備していかないといけない。そして、アクセス道路整備がまだ進んでいないというのが懸念材料だが、県もしっかりと工事に取り組むと明言していたので石垣市も県と協力しながらしっかりやっていただければありがたい。やはり道路が命だ。関係する交通も周辺駐車場も民間含めて整備されてきており、解消されると思う。バスやタクシーもしっかり稼働している。ただ、心配しているのは、交通事故。事故を無くすための取り組みを考えないといけない。あとは、空港周辺の水道整備など、水問題にはしっかり取り組みたい。インフラ整備は絶対に必要だ。

■新県立八重山病院建設と石垣空港拠点の波照間航空路線への考え

 病院建設は、医療の充実も含めながらどんどん具体的になっている。旧空港跡地にできるので、道路もきれいに整備し、交通に支障がないようにやらないといけないと思う。病院と道路は一体化だと思っているので、しっかり造って頂きたい。石垣波照間の空路は、波照間空港の再開ということで運航することが決まった。空と海、両方からいけるような観光の呼び起こし、そして島の緊急時には飛行機は必要だ。ぜひ運航してもらって、離島苦の解消につなげてほしい。離島観光も今以上の勢いが付いてくると思う。

■2014年の抱負

 議員活動も2年目になる。しっかりと市民、郡民の方々から聞いた意見を取り上げて実現させていきたい。政治のあり方は、地域密着型。今までもそうしてきたが、より一層連携を深められたらと思う。事務所も活用して頂き、いろんな意見を聞かせてもらって、それを議会活動に生かしたい。そして与那国。飛行機が小型で、限られた農水産物などの資源を発展に向けてどう結びつけるかが課題だ。離島苦の解消は、保守だろうが革新だろうが一緒。しっかりと課題解決に向けて取り組んでいきたい。お互い意見交換しながら取り組める部分は協調して取り組んでいく。


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