お隣の宮古で天候に左右されることなく各種イベントが開催できる、収容人員約5000人のドーム型スポーツ観光交流拠点施設の建設工事がこのほど始まった。宮古島市が2012年度から計画を進めて来たもので、17年4月から供用の見込み▼驚きは総額約35億円の事業費をほぼすべて沖縄振興一括交付金でまかなうことだ▼12年度から始まった同交付金は、各自治体が地域の実情に即してピンからキリまで自由裁量で事業を選択できる、実に使い勝手のいい資金ということ▼2万円近い運賃が一気に1万円台を切った画期的な県の離島航空運賃割引も、同交付金があったからこそであり、各市町村とも同交付金が子育て支援や観光、農水産業振興など各面に果たしている役割は大きい▼八重山も同様で新年度は、石垣市が生活困窮者への就労支援や都市圏での農水産物販促プロモーション、竹富町は船運賃低減、与那国町は優良繁殖牛導入など多様な事業を計画▼同交付金は使い方によって宮古のような大型施設からかゆいところにも手が届くきめ細かな事業ができる。ところが石垣市はせっかくの交付金を使いきれず、2年連続で約1億5000万~2億2000万円の不用額を出している。役所の能力が問われる。新年度の約10億円は大胆細心に使いきりたい。(上地義男)
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