【与那国】与那国町議会(糸数健一議長)の3月定例会が10日開会し、外間守吉町長が2015年度施政方針演説を行った。演説の冒頭、2月22日に実施された与那国島への自衛隊基地建設の民意を問う住民投票で賛成票が過半数を占めたことを受け「自衛隊配備に決着がついた」と述べ、16年3月の配備を推進する考えを示した。陸自配備を踏まえ06年3月に策定された「与那国・自立ビジョン」も見直す考えを示し「町民一丸となって与那国町のまちづくりにまい進していく」と決意を述べた。
「与那国・自立ビジョン」については、「島づくりの大きな要素となる陸自沿岸監視部隊の配備は、町の自立に係る状況が変化する」として、既存計画を見直し、町を取り巻く環境変化に対応した新たな計画を策定していく考えを示した。
航空路線については、与那国に就航している琉球エアーコミューター(RAC)の39人乗りと50人乗り機種の老朽化に伴い15年度から3カ年で50人乗りの新機材2機の導入が予定されていることを挙げ「予約が取れない、荷物が積めない、などの苦情が解消されることを期待している」と述べた。
老朽化が進む現庁舎の建て替え・移転については、防災拠点、住民サービスへの影響を考慮したうえで、16年度に基本・実施設計、17年度の着工を目指す。人材育成では、町内の住民や企業の活性化を支援する「どぅなん・ファンド」や与那国島歴史文化交流資料館などを活用し、企画力のある人材の育成、雇用創出につなげていく。「海底遺跡」の遺産登録に向けた取り組みや一括交付金を活用した「優良繁殖雌牛導入事業」、地下ダム建設に関する関係機関への要望、漁業担い手育成プランの実施などを計画している。
医療面では、与那国診療所の検査機能を拡充し、さまざまな診療が島内でできるようにする。
妊娠から出産までに必要な島外への渡航費の助成を拡充する。
施政方針は①いきいきと働けるまち②癒やしと安心のまち③人材を育て・つなぐ交流のまち④循環と共生のまち⑤海を守り、支えるまち⑥伝統文化に支えられた自治と自立のまち—の6項目で示した。