川満栄長竹富町長は5日、3月定例町議会(新博文議長)で、2015年度施政方針演説を行い、町単独の船賃負担軽減事業を実施し、距離に応じて町内各離島と石垣島を結ぶ高速船の船賃を本州のJR並み運賃に設定する考えを明らかにした。国・県と調整がつき次第、一括交付金を活用して実施する予定で、15年度一般会計予算案に約1億6000万円の事業費を計上した。実現すれば、県事業の割引運賃より安く設定され、町民の利便性の向上に貢献しそうだ。
川満町長は取材に「船賃の軽減は全町民に関わるもの。一括交付金を全ての町民に還元していこうという思いで事業実施を決断した」と説明。一括交付金配分額4億7100万円のうち、1億4400万円(国庫支出金分)を同事業費に充てている。
川満町長は施政方針で役場移転・庁舎建設について「本年度中に住民投票を実施し、課題解決に努める」と述べ、15年度内の住民投票実施も表明した。「町新庁舎のあり方検討有識者委員会」の提言・報告を新庁舎建設の取り組みに反映させる考え。
昨年、復帰後最大規模の渇水に見舞われたことを受け、「西表島東部地区で地下水の調査を実施する他、水量の豊富な浦内川からの水利権取得に向けて関係機関に働きかけていく」と述べた。敷設から40年以上が経過している西表|新城|黒島間の海底送水管について3年計画で取り換えに着手する考えも明らかにした。
観光産業の振興施策では「滞在時間延伸が期待される観光施設として竹富島近海の海底温泉に着目しており、地域と連携を図りながら利用方法や整備について検討していく」とし、温泉施設の整備に前向きな姿勢を示した。
この他、納税環境の拡大と納付者の利便性向上を図るため、インターネットを活用した「ペイジー収納」「クレジット収納」を導入するほか、町営白浜団地、白浜小学校、大原中学校の建て替え、フリーWi—Fiエリアの拡充などにも取り組む、としている。