竹富町商工会(上勢頭保会長、会員数340人)が今年秋に竹富町物産公社(仮)の設立を予定していることが、5日までに分かった。南ぬ島石垣空港内で運営する「島土産店」をメーンブースに、特産品の掘り起こしや販売を強化する考え。土産店に出荷している業者は「商品を増やしてほしい」と期待する。空港の開港から7日で2年が経過。公社設立で特産品振興につなげられるか注目だ。
与那国町の特産品も取り扱う島土産店は、2013年度の総売り上げで4885万円を記録、14年度はこれを上回る勢いで推移しているという。
現在、40会員が約300アイテムを販売。公社設立後は、多品目販売を目指し、ブースの拡張を石垣空港ターミナルビル㈱に要望することにしている。
担当者は「作ったら売れるというのが、会員の生産意欲と品質の向上に結びついた。この動きを継続・発展させたい」と公社設立への思いを語る。
13年12月から、はちみつ商品を出荷している会員の中坂眞吾さん(西表干立・38)は「空港ブースで取り扱ってもらったことで反響があり、売り上げが伸びた。個人客を対象に販路も拡大している。現状でもいいブースなので、スタッフや商品を増やしてほしい」と期待を寄せる。
上田英樹店長は「空港到着後、観光客が最初に消費する機会はターミナル内。島の特産品をPRできるブースの強みを、会員らが生かしてほしい。離島生産者の活性化が八重山観光につながる」と話す。
一方、観光業界からはスカイマークの撤退による観光入域者数減少を懸念する声も挙がっており、不安材料がないわけではない。
商工会の金城学相談所長は「八重山観光の頭打ちで入域客数が減少すれば消費動向が鈍くなる。物産公社の運営面も考えながら準備を進めたい」と慎重な一面をのぞかせつつ、「物産公社化で特産品の発掘に力を入れたい」と意欲を示す。
商工会は、公社設立に向け、資本金約500万円を確保する計画。今後、竹富町、与那国町と同商工会の役員や会員、関係機関などに出資を打診していく。