罪を犯した人や非行のある少年らの就労先を確保して社会復帰を支援する八重山保護区協力雇用主会(当山喜一郎会長)に登録する事業所は3日現在で70社となり、昨年4月の42社から1・5倍以上増えている。雇用主会への登録は、県の2015・16年度建設工事入札参加資格審査で加点項目に加わったため、建設業者の登録が進んだ。当山会長は「会員が増えると、更生保護に対する理解が広がっていく。ありがたい」と話す。
那覇保護観察所などが県に働きかけた結果、県は昨年8月、資格審査に優遇制度を導入。同年12月1日までに協力雇用主会に登録した事業所を、社会貢献活動として加点する措置を取った。石垣市も「次回(17・18年度)の資格審査で配慮したい」(漢那政弘副市長)としている。
県内では、登録事業所は去年4月の123社から今年1月には273社に増加。八重山保護区は、県内8保護区で最多の登録事業所数となっている。
協力雇用主になると、試行的な雇用や継続雇用などに対して国から支援を受けられるようになる。
同雇用主会は4日、新雇用主となった事業所らを対象にした研修会を石垣地方合同庁舎で開いた。那覇保護観察所石垣駐在官事務所の當山孝明保護観察官は、刑務所再入所者の7割が再犯時に無職だった点を挙げ、「就労先の確保は重要な支援になる」と強調した。