八重山地区学力向上推進委員会(委員長・黒島一哉八重山教育事務所長)は2月28日午後、八重山合同庁舎で第28回八重山地区学力向上推進実践報告会を開き、12年度から県教育委員会が推進している学力向上主要施策「夢・にぬふぁ星プラン㈽」に基づき取り組んできたことや、児童生徒の学習・生活習慣と学力に関する調査結果などを報告した。文部科学省初等中等教育局視学官の杉田洋氏の講演会も行われた。
同プランでは▽キャリア教育の視点を踏まえた確かな学力の向上▽わかる授業の構築による確かな学力の向上▽学力向上マネジメントによる目標管理型評価システムーの推進を柱として実践に励んできた。
報告会では、県教育庁義務教育課学力向上推進室の田港朝満主任指導主事と、八重山教育事務所の棚原広幸主任指導主事が取り組み状況を説明したほか、伊原間中学校1年生の伊波萌那さんと多良間陽織さんらが外来生物を学ぶ環境学習プログラムについて発表。
児童生徒の学習・生活習慣と学力に関する調査結果では、将来の夢や目標を持っていると答えた児童生徒が90%を超え、全国平均を上回っていることが示される一方、調査問題の解答時間が足りなかったと答えた児童生徒が約6割いる実態が明らかになった。棚原主任指導主事は「課題を読み取って解釈する力を付けることが大事」と改善の必要性を強調した。
引き続き、文部科学省初等中等教育局視学官の杉田洋氏が「『確かな学力』を育む学級集団づくり」のテーマで講演。杉田氏は「道徳や特別活動を基盤に据えた集団づくりが大切。そのためには教材分析や授業展開ができる高い授業力を身に付けた教師が必要」と資質向上を求めた。
さらに杉田氏は「子どもたちに順序を付け、小手先で指導していないか。子どもと正面から向き合い、人格に寄り添った教育をしてほしい」と呼びかけた。