国指定の特別天然記念物・イリオモテヤマネコ交通事故防止キャンペーンの一環として、竹富町自然環境課(白保隆男課長)は9月3日から12月24日までの約4カ月間、不定期に夜間パトロールを実施し、夜間走行する車両に減速を呼びかけた。
パトロール最終日の24日には幼獣も発見しており、同課の與那城博さんは「40㌔以上だとヤマネコを発見するのは難しい」と注意を促している。
ヤマネコの交通事故は2013年に6件発生、1頭は不明、5頭が死んでいる状態で見つかった。
このため、町は10月25日に西表野生生物保護センターと共同で「非常事態宣言」を発表。注意喚起のノボリを掲げるとともに、道路の見通しを確保しようと県道の草刈り作業や夜間パトロールを行ってきた。
今年最後のパトロールとなった24日は美原地区で幼獣も見つかり、與那城さんは「ヘッドライトに照らされても慌てるそぶりをみせず、県道をゆっくりと横断し、やぶに去っていった」と話す。
また、「パトロールは時速15㌔で走っていたので発見できたが、ヤマネコは体が茶褐色なので、夜間40㌔を超えて走る場合、ドライバーには目視は難しい」と話し、それ以下の走行を呼びかけている。
同課では、来年度から事故が多発する春季にも夜間パトロールを実施するとともに、目撃情報に基づいて設置している移動式看板で年間を通じ、ヤマネコの輪禍防止へ注意を喚起していく。