先日「池上彰が選ぶ名言から知る戦後70年」のテレビを偶然見たが、その中で「バカヤロー解散」で有名な吉田茂元首相の名言が紹介された。与那国町住民投票の翌日だけに関心を持って見た人は多いだろう▼それは自衛隊生みの親である同首相が1952年2月、防衛大初の卒業生たちに語った言葉だ▼その名言とは「君たちは自衛隊在職中決して国民から感謝されたり、歓迎されることなく自衛隊を終わるかもしれない。きっと非難とか誹謗(ひぼう)ばかりの一生かもしれない。御苦労なことだと思う▼しかし自衛隊が国民から歓迎され、ちやほやされる事態とは外国から攻撃されて国家存亡のときとか災害派遣の時とか、国民が困窮し国家が混乱に直面している時だけなのだ。言葉を変えれば君たちが日陰者であるときのほうが、国民や日本は幸せなのだ。堪えて貰いたい」というもの▼これにわが意を得たりと納得した人は多いはずだ。ところがその自衛隊を安倍首相は“世界のヒマワリ”にでもしたいのか、あえて地球のどこにでも派遣できるよう同元首相の孫の麻生副総理も一緒に暴走しているから怖くなる▼これを元首相はどう見ているだろうか。戦後70年一度も外国と戦火を交えることがなかった日本。元首相の思いはこれからも大切にされるべきだ。(上地義男)
↧