竹富町(川満栄長町長)は、町内出身の高校生で寮から高校に通う生徒を支援するため、離島高校寮生就学援助奨励金の申請を年明けから受け付け、年度内にも還付する。離島出身高校生の居住費や通学費の一部を補助する県の離島高校生就学支援事業では「食費」が含まれる「寮費」の支給は難しく、寮から高校に通う生徒は支援額を満額受けることができないため、「格差が生じる」と町が独自に取り組んだもので、保護者の負担軽減が期待される。
2012年度から始まった県の就学支援事業は高校生1人当たり年間15万円を支援するもので、13年度からは24万円に増額されたが、食費は対象外とされてきた。
食費を含む寮費の取り扱いが課題となり、各高校では13年度から寮費の内訳を明示したことで、県は寄宿費だけを支援対象としており、支援枠が拡大されても寮から高校に通う生徒は費用を満額受け取れない状況となっていた。
このため、町では離島高校寮生就学援助奨励金交付要綱を制定。 12月定例町議会で予算案が可決され、町出身で寮から高校に通う高校生に1人当たり年間12万円を支給する。
対象は町出身で県外の高校に通う生徒を含む51人となっており、県の支援費と合わせて一定程度、保護者の負担軽減につながる。
町教育委員会教育課の浦崎喬課長は「寮生と、アパートから高校に通う生徒で受け取る支援費に格差が生じないように寮生の食費を半分、奨励費として援助したい。県の支援費満額にはまだ足りない部分があるかもしれないが、今後、財政当局と話を詰め、生徒の夢を後押しできるような教育行政を進めたい」と話した。