【那覇】環境省は23日までに、豊かなサンゴ群集が発達する竹富町西表島の「崎山湾自然環境保全地域」(128㌶)を、網取湾と周辺の海域まで約8倍に拡大し、名称を「崎山湾・網取湾自然環境保全地域」(1077.1㌶)に変更したと発表した。崎山湾の自然環境保全地域は、1983年に指定された国内唯一の海域で、区域の拡張は92年の白神山地(青森県)の指定以来23年ぶり。
環境省は拡張に伴い、全区域を動植物の採取を規制する海域特別地区に指定。36科327種(変更前8科3属9種)の採取、捕獲には許可が必要になる。また、海域拡大による保全地域の指定面積は、原生自然環境保全地域が5地域(5631㌶)、自然環境保全地域は10地域(2万2542㌶)となった。
西表島西部を区域とする同地域は、亜熱帯に属し、黒潮の影響を受けて海水温が高く、人為の影響が少ない自然性の高い海域となっている。
崎山湾では、ミドリイシ類やコモンサンゴ類などのサンゴ群集が発達。網取湾では、多様なサンゴ群集が存在し、水深の浅い場所には西表島の固有種アミトリセンベイサンゴの大規模な群集などが確認されている。
両湾とも水深の浅い場所には、ウミショウブなどの海草藻場が広がり、流入河川の河口周辺干潟では魚類、貝類、甲殻類の貴重な種が確認されている。